2000年1月1日(元旦)　神奈川県寒川町にて「家具工房ひょうたん蔵」をスタート

かなりオンボロな農家の納屋（約11坪）が最初の工房でした。

平塚職業訓練校を卒業したばかりの当時はとにかく自分たちの工房を持ちたいという一心でしたので、その夢がかなえられただけで本当に満足でした。

機械は万能木工機と昇降盤、角ノミ盤、ボール盤を中古で安く買い求めました。あとは少々の電動工具のみ。

でも逆に木工機械がそれほど充実していなかったおかげで手道具での加工技術を磨くことが出来たのかもしれません。

工房名は「瓢箪から駒」という具合に「こんなボロ古屋でも意外と良いモノを作るね。」と皆さんから思ってもらえるように「ひょうたん蔵」と名付けました。 

この当時、僕はまだ注文家具の木工会社に勤務していました。仕事が終わった後や休日にこの工房へ通うのが一番の楽しみでした。

2002年7月　手狭になった寒川町の工房から、愛川町中津に工房を移転

神奈川県愛川町中津の工業団地内にある電気部品メーカーの建物の一角（４0坪程）をそこの社長さんのご厚意で格安で貸していただくことになりました。

そこで一念発起して僕は勤めていた木工会社を退社して完全独立しました。

最初のうちは元いた会社から下請け仕事をいただいたりしてなんとか生計を立てていました。

しばらくしてある大手自動車メーカーさんからキャンピングカーの家具製作を請け負うことになり、明けても暮れてもそれを量産していた時期が３年間ほどありました。

そのおかげで少しづつ収入面も安定してきて気持ちにも余裕ができてきました。

少し余裕ができたことで僕はキャンピングカー家具の製作の合間を見ながらひょうたん蔵のオリジナル作品を少しづつ作りためていきました。 

2003年、相模原市に「アラジン」という手作り家具の店がオープンすることにりました。

オーナー様がまだ駆け出しだったひょうたん蔵に「地元の家具工房という事で家具や木製品を出展してくれませんか」と声をかけてくださいました。

オリジナル作品を作りためてはいたものの展示する場所が無くて困っていたのでこれは本当に嬉しいお誘いでした。もちろん二つ返事で出展させていただくことにしました。

お店の一角にちゃんと「ひょうたん蔵」のエリアを設けてくださってオリジナル品を展示販売してくださったり、そこから家具のオーダーをいただくことにもつながっていきました。（残念ながらアラジンは現在は閉店しています。）

こうして多くの皆さんのお力添えで本格的に家具工房の仕事に専念することができるようになりました。

2006年5月　愛川町半原に工房を建築し移転

自分たちが思い描いてきた理想の家具工房の形に近づけるために、現在のこの地に移転してきました。

「ひょうたん蔵」の製品を手にとってご覧いただけるようにと思い、狭いながらもショールームを併設しました。

神奈川県内といっても電車も通っていないエリアなため、車でないと気軽にお越しいただける場所ではないかもしれませんが、それでも遠方からはるばる足をお運びくださる方がだんだん増えてきてとてもうれしく思っています。

「ひょうたん蔵」のことを気に入ってくれた方のために、自分たちの手でじっくりと一つ一つ丁寧に家具や小物を作っていく。

という理想の形が少しづつ実現に近づいてきました。

2013年8月　自宅兼ショールームをセルフビルド開始

半原に工房を移転してから8年の間、自分たちの生活空間は工場の2階の屋根裏部屋でした。

その事にけっして不満を感じていたわけではありませんが、それよりも ショールームをもっと広いスペースにしたかったのと、自分たちの生活空間もひょうたん蔵の家具のリアルな展示場としてお見せ出来るようにしたいと考え、隣地にショールーム兼自宅を建設することにしました。

自分たちが本当に納得のいくような空間にしたい！という考えが強くあって、近所の知り合いの建築士さんにご協力いただきながら希望の家の形を設計していきました。

建築工事においても自分たちでできる工事はなるべく自分たちで施工したい！という思いでした。

それで躯体工事、電気工事、水道工事は建築業者さんに任せ、それ以外は全て自分たちで仕上げていくというハーフビルドスタイルで建築していくことにしました。

そうはいっても建築工事は普段やりなれない作業が多くていろいろ戸惑うことばかりでした。

そのくせこだわりばかりが強くて工事はなかなか進みませんでした。

2014年4月　新ショールームが完成

本業のオーダー家具製作をしながら時間があいた時はとにかく少しづつでも施工を進め、3年くらい掛かってようやく完成させることができました。

家をゼロから建築するという事は初体験の連続で常に勉強の日々でしたが、その経験が家具製作の仕事にもフィードバックできて大変有意義な時間だったと今は感じています。

これにより広い展示室もオープンすることができ、ひょうたん蔵のオリジナル家具をゆっくりご覧いただくことが可能となりました。

従来までの展示室と合わせてこれからどのように製品を展示していくか考えるのが今後の楽しみです。